バトルブログ最終回：マルチプレイヤーマップ大公開パート2
dmcdonagh
2011-11-15
最後の5つの『バトルフィールド 3』マルチプレイヤーマップが公開です。DICEのマルチプレイヤー開発チームに各マップの説明と、最終的な作品に組み込まれたマップの選択プロセスについて語ってもらいました。
グランドバザール
対応ゲームモード：全て
概要：タイトな市街戦
背景：テヘラン中心部の戦闘は2週目に入った。当初数日と予想されていた戦闘は、米軍とロシア軍が重要都市テヘランの掌握を目指して衝突する中、長期戦の様相を呈し始めている。
デザインの視点：テヘラン市街中心部では、都市独特の要素を盛り込みたいと思いました。フィクションでは戦闘第2週目が舞台となっており、建物が密集し路地が複雑に入り組んだ街はすでに破壊が進んでいます。グランドバザールは、鏡のように構成された典型的なマップで、両側に同じような路地や脇道が配置されており、高台を横断し戦闘状況の全体を把握することも可能です。このマップは短距離の接近戦を中心としており、ショットガンが効力を発揮します。
カスピアンボーダー
対応ゲームモード：全て
概要：広大な谷間での車両戦
背景：ロシア軍偵察隊がイラン国境のトルクメニスタン側で厳重な防衛体制が敷かれる国境検問所の制圧に向けて侵攻を始めた。
デザインの視点：カスピアンボーダーは、典型的な『バトルフィールド』の本格的車両戦ゲームプレイを表現し、その緑豊かな景観は、都市部や砂漠といった他の『バトルフィールド 3』のマップとは一線を課しています。美しい広大な土地に設営された国境検問所がマップを2つに隔て、視覚的にもゲームプレイの観点からも面白いアクセントを生み出しています。カスピアンボーダーの長く広がる土地は歩行ではカバーしきれません。このため本格的な車両戦を好むプレイヤーにうってつけのマップとなっています。マップではほぼ全ての車両が利用可能です。
セーヌクロッシング
対応ゲームモード：全て
概要：パリ中心部の車両/歩兵戦
背景：ロシア軍の占領するパリへのアメリカ軍侵攻は本格化している。激戦の中心地は高級住宅街のあるパリ７番街だ。
デザインの視点：セーヌクロッシングは、中央を流れるセーヌ川によって隔てられたパリの2つの地区で構成されています。セーヌクロッシングには、車両でパトロール可能な広い道路が数多くあり、一方で、狭い路地は歩兵が身を潜めて行動するのに適しています。また、外壁が頑丈な建物であれば2、3階まで上り、高所から有利に作戦を進めることもできます。銀行のビルは、その屋内規模が本マップで最大となっており、攻撃側も作戦の修正を余儀なくされることでしょう。
ノシャー運河
対応ゲームモード：全て
概要：工業地帯の戦車/歩兵戦
背景：米国海軍がイランの沿岸部のノシャー運河に通じる主要な港に攻撃を開始した。攻撃の標的となった港は水深が深く、大型船舶が重要な資材の荷下ろしもできるため、戦略的に重要な位置を占めている。
デザインの視点：ノシャー運河の制作にあたって、最初に考えたのは工業地帯というコンセプトを入れて、都市部と地方のコントラストを明確にしたいということでした。そこでノシャー運河は工業港という位置づけにし、歩兵や車両に加えボートも活躍できるようにしました。Rushの攻撃側は輸送艦からスタートし、水陸両用車やボート、ヘリなどで上陸します。本マップの全ての基地は全て工業地帯というテーマで共通していますが、列車の操車場や乾ドック、飛行場などの異なるスタイルを持っています。他の広大な車両戦向けのマップと比べ、このマップはタイトな歩兵戦にも適しています。
カーグ島
対応ゲームモード：全て
ブリーフ：海と陸からの攻撃
概要：カーグ島はイラン最大の石油輸出ターミナル。米軍がこの島を支配下に収めれば、ロシア軍にとってイランの石油備蓄に対する重要なアクセスが封じ込められることになる。
デザインの視点：カーグ島はボートプレイが可能な2つ目のマップです。テーマは、イラン海岸にほど近いペルシャ湾に浮かぶ工業の島、カーグ島への攻撃です。フラグ間の距離が比較的長いため、ノシャー運河よりも車両戦を中心としたマップとなっています。Rushでは、くっきりとした海岸線を描く上陸攻撃から幕が上がり、マップの幅広いエリアに進む前に、上陸拠点を確保して突破口を開き、島での攻撃を進めなければなりません。
DICEの考え方
DICEでのゲームモードの開発はメンバーが意見を出し合いゲームプレイとデザイン両方を考慮しながら進められます。これはバランスの取れたゲームプレイの組み合わせを実現するばかりでなく、ビジュアル的にもバランスの取れた効果を生み出す手法です。
デザイン作業を始めるにあたってデザイナーは、Inge Jøran Holberg氏やDiego Jimenez氏、Niklas Åstrand氏と言ったレベルデザイナーと協力し、クリエイティブブリーフのモックを数多く作成します。ブリーフには、ゲームプレイの種類やアイデア、ストーリーやビジュアルテーマなどが記載されています。これらのブリーフは、『バトルフィールド 3』の開発チームのメンバーが全員参加する人気投票にかけられ、その際、メンバーから独自のアイデアも出されます。ここで人気の高かったレベルは、「ポッド（レベルデザイナーとアーティストのペア、各マップで組まれる）」による試作品制作に入り、チームが実際のプレイを通じて最も面白いマップを絞り込めるようにします。
その後、チーム全体で各マップを比較し、最も説得力があり多様性に富んだ組み合わせのマップが、ゲーム搭載用として選ばれます。過去のブログで紹介した9つのマルチプレイヤーマップは、それぞれ吟味を重ねて選ばれて来たものです。これらはプレイテストでも際立った魅力を発揮した選り抜きのマップなのです。これらの9つのマップの組み合わせで、『バトルフィールド』のベテランにも初心者のプレイヤーにも『バトルフィールド 3』を楽しんでいただくための全てが網羅されています。
最後に、『バトルフィールド 3』のマップに砂の城があるのをご存知でしたか？この名物の「イースターエッグ」は、過去のシリーズの多くのマップに登場して来ました。あなたにもイースターエッグは見つけられますか？
『バトルフィールド 3』マルチプレイヤー全マップリスト
アルファベット順
カスピアンボーダー/レベルデザイナー：Diego Jimenez
ダマバンド山/レベルデザイナー：Niklas Åstrand
グランドバザール/レベルデザイナー：Niklas Åstrand
カーグ島/レベルデザイナー：Inge Jøran Holberg
ノシャー運河/レベルデザイナー：Niklas Åstrand
オペレーション・ファイヤーストーム/レベルデザイナー：Inge Jøran Holberg
オペレーション・メトロ/レベルデザイナー：Inge Jøran Holberg
セーヌクロッシング/レベルデザイナー：Diego Jimenez
テヘラン・ハイウェイ/レベルデザイナー：Niklas Åstrand
