• タイタンフォール 2開発裏話:マッチメイキング

    こんにちは! Respawnのマイク・カラスです。今回はタイタンフォールのマッチメイキングで前作から変更された点についてご紹介しましょう。

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    前作の教訓

    第1作のマッチメイクシステムはとてもシンプルで、プレイヤーに適した場所が見つからなければ、そのままマッチに放り込んだり、新しいマッチを始めるというものでした。 また、チームの作成過程がロビーで表示されるのを煩わしく感じたプレイヤーが、作成を打ち切って検索をやり直すことで、表示がさらに煩雑化することもありました。 他にも、自分より大きなパーティーとのマッチメイキング中に、例えば4対1の対戦が組まれている様子を見たソロプレイヤーが途方に暮れることもありました。 マッチメイキングでは、両チームが定員に達するまでマッチは始まらないのですが、ソロのプレイヤーにはそういった仕組みが分かりにくい場合もあったようです。 これはマッチメイキングの臨場感を高めるための演出で、その目的は果たしていたと思います。 しかしその過程では、混乱を招く表示もあったのです。

    定員を確保するためにサーバーを併合することもありました。その際、夜が更けてプレイヤーが減ると、人数不足のサーバーが増えるのに、そういったサーバーを併合できないケースがあることが分かりました。 他のサーバーと併合するには、空きプレイヤー枠が不十分だったのです。 空きプレイヤー枠が1~2人分しかない、4~5人編成のチームが多く見受けられました。 プレイヤー数が定員の半分まで減れば併合できるのですが、そこまで減らずに留まるケースが多く見られました。 この傾向は、特に夜に顕著でした。 夜は当然、夕食や睡眠などのためにゲームを終えるプレイヤーが多いのですが、その空きをすべて埋られるだけの参加者が居なかったのです。

    プレイヤーのスキルは、ラウンド終了後に更新されていました。 スキルは、プレイに好不調の波があったり、友達と交代でプレイしたりするため、多くの方が考える以上に大きく変化するものです。 メンバー全員のスキルが更新されると、彼らを別のマッチに移動できないだろうかと感じることがよくありました。 プレイヤーは自分で退出しないと同じマッチに留まってしまうため、最新のスキル評価が反映されていないマッチメイクが続いてしまい、それを是正するにはプレイヤーが自らマッチを退出して検索するしかありませんでした。 そこで私たちは、この処理を自動化して、プレイヤーが状況を改善せずに済むようにしたいと考えました。

    また、スキルの更新基準を勝敗に置いていたために、実力が正しく反映されるのに、当初の想定より時間がかかっていたこともわかりました。 そのため、勝利チームでスコアが最下位のプレイヤーはスキルが上がるのに、敗北チームでスコアトップのプレイヤーのスキルは下がる、といった事態が起きてしまっていました。 こういった誤差は、対戦回数が増えるにつれて是正されていくのですが、プレイ開始時は不適切なデータが 集まって、スキルを正しく判定するのに時間がかかっていました。 この場合はマッチを退出して再検索しても状況を改善できず、適切な難易度のゲームに辿り着くまでに時間がかかっていたのです。

    そして最後に、多くの方がご存じの通り、DLCのマップパックが原因の問題がありました。多数のプレイヤーが様々な組み合わせのマップを持つことで、マッチメイク条件が複雑化し、処理に悪影響が及んでしまったのです。

     

    タイタンフォール 2の新しいマッチメイキング機能

    そこで、今作では新しいマッチメイクシステムの開発を決定。私たちを夜な夜な悩ませてきた、これらの問題の解決を目指しました。 開発に当たってはまず、次の方針を立てました。

    • マッチが終わる度に、全プレイヤーに対して新しいマッチを検索する機能を導入する。
    • マッチが終わる度に、全プレイヤーに対してマッチメイキングが行われると、マッチの作成速度が飛躍的に向上する。 これによって全員が適切な難易度のマッチを楽しめるようになり、不適切なマッチに取り残されることがなくなる。 また、マッチの定員を確保できる頻度も上昇する。
    • マッチ作成が高速化されると、チームの作成状況をプレイヤーに表示する意義が薄れる。 プレイヤーは代わりにアクティブなネットワークで時間を過ごして、次のマッチに備えることができる。
    • マップは販売せず、できるだけ素早く良質なマッチメイキングを提供できるようにする。 今作では、マップはすべて無料で配信する。

    マッチが終わる度に、プレイヤーは自分の「ネットワーク」(近日紹介予定)に移動して、いつでもロードアウトを変更したり、マッチの成績や各種データを閲覧したり、次のゲームの準備をしたりすることができます。 ゲームの流れは前作と似ていますが、それを支えるメカニズムはまったく新しく再構築したものです。

    これまでにご紹介した、より品質と柔軟性の高いマッチメイク機能の導入計画では、実現に向けた取り組みが実際に進んでいます。 まずはサポートの一環として、タイタンフォール 1で、マッチメイキングの所要時間やスキルの一致度、そしてマッチ成績についてデータの収集・分析を行いました。 こういったデータを研究することで、変更が必要な様々な点を突きとめて、実行に移すことができました。 そして私はタイタンフォール 2用に、前作のマッチメイクデータを使って計算を行うシミュレーターを作成しました。 これを使えば、プレイヤーのマッチメイキングの開始・終了を前作と同じペースでシミュレーションすることができます。 シミュレーション中は、プレイヤーをマッチ検索中、マッチ作成中、シミュレーションマッチ中、マッチ終了中、マッチメイク再開中に類別します。 この結果、今作ではマッチの作成速度が大きく向上し、スキルレベルの一致度や、ゲームの定員到達率も改善していることがわかりました。 マッチの質やマッチメイキング速度が、全体的に向上したのです。 プレイヤー数の少ないプレイリストや時間帯においてさえも、前作よりも優れた成績が常に出ています。

    スキルシステムは、前作と似たものです。 ただし、今作では勝敗以外にもマッチへの総合貢献度を基準にスキルレベルを判定する、という点が異なっています。 これによって、レベルが近いプレイヤーとのマッチングが実現し、より白熱したマッチをお楽しみいただけます。 第一戦目から、プレイヤーのスキル区分の判別速度が大きく向上し、適切と思われるマッチへ振り分ることが可能となるのです。

    近日実施予定のテックテストでは、サーバーの信頼性を試すだけでなく、このマッチメイクシステムが初期試験で示した実力を証明したいと思います。 ぜひテストに参加いただき、ゲームを沢山プレイして、貴重なご意見をお聞かせください!

     

    マイク「Thezilch」カラス

    Server Engineer

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