「Anthem」の世界において、「ジャベリン」とはプレイヤーに超人的能力を与えてくれる、強力でカスタマイズも可能なエグゾスーツです。フォート・タルシスの外へと足を踏み出す勇気ある者たちにとって、ジャベリンはこの危険な世界を生き抜くための必需品となっています。
EA Playに参加された方々はジャベリンを画面上で目にするだけでなく、肉眼でも見ることができました。このイベントに4体の実物大ジャベリンを持ち込んだからです。Henchmen StudiosがBioWare監修の元に立体化した「レンジャー」「ストーム」「インターセプター」「コロッサス」が会場に姿を現し、参加者に「Anthem」の世界を独自の方法で垣間見せました。
このスーツはただのコスチュームではなく、細部のディテールまで再現した複雑で緻密な作品となっています。これは一体どのように作られたのか。EA Play用に製作された4体の実物大ジャベリンを作るために必要なものとは。その舞台裏を覗くため、Henchman Studiosへ足を運びました。
この本物のジャベリンスーツを手掛けたのが、カナダのトロント市を拠点とするHenchmen Studiosの才能溢れるチームです。全17名のチームが3Dプリントや造形から裁縫や塗装に至るまで、その全製作工程のさまざまな段階で関わっていました。
まずスーツの本製作が開始される前に、数か月にわたって製作計画と試作がおこなわれました。そして一旦製作が開始されると、Henchmen Studiosは11週間でジャベリン4体を最初から最後まで組み上げたのです。「レンジャー」「ストーム」「インターセプター」の全長はそれぞれおよそ219.5センチ、重量22.7キロ。一方、巨体の「コロッサス」は全長が259.1センチ、重量は45.4キロにも及びました。製作チームの目指していたものは、ジャベリンの大きさとプロポーションを限りなく設定に準拠させつつも、EA Playでパフォーマーが簡単かつ安全に着用できるようなコスチュームづくりでした。
各ジャベリンの素材にはバネ鋼、アルミ、コーデュラ生地、本革など必要に合わせた各種材料が使用されています。
「レンジャー」「ストーム」「インターセプター」の硬質装甲の部品には流し込みプラスチック、加工PLA樹脂やABS樹脂を使用した3Dプリント加工品を組み合わせています。3Dプリント部品はファイバーグラスで補強されており、耐衝撃性の高い頑丈な装甲に仕上がっています。「コロッサス」の超大型の装甲部品はその重さを軽減するため、EVAフォーム材と加工PLA樹脂製の3Dプリント部品から作られており、裏地にはファイバーグラスを使用しています。
ジャベリンにはいずれもスティルトが備わっており、これにより実際のキャラクターよりも大きなシルエットを生み出すことができます。これらスティルトにはバネ鋼棒、ステンレス製ケーブル、軽量アルミ合金、塩ビ管などを使用。またパフォーマーの着心地に合わせて作られており、着用時に足の各部分に掛かる負荷を最低限に抑えています。さらに新しく延びた「足」と背丈を身体全体のプロポーションに合わせるため、パフォーマーの体格に肉付けを行うなどの調整も加えられています。この肉付けはパッド入りマッスルスーツと装甲を組み合わせて実現しており、大柄な体つきを描き出します。
コスチュームの生地部分はビニール、本革、コーデュラ生地、織物素材、カスタムプリント生地などの組み合わせで構成。これら要素の多くには、自動車の内装に着想を得て設定されたスーツを再現するため、大小さまざまな内装用フォーム材や天井用フォーム材などが縫い込まれたり、仕込まれたりしています。
この製作プロジェクトの最初の一歩は、各ジャベリンスーツを個々の部品に分解するためのテーブルを囲んだ話し合いから始まり、使用する素材について提案し合い、最終的な組みつけ手順を決定し、そして製造過程で直面する可能性のある問題特定が進められました。
次に各部品の製作状況が追跡できるように、ジャベリンごとの部品リストと製作スケジュールが組まれます。チームはジャベリン1体ずつの班に分けられ、さらに作業が滞りなくおこなわれるよう進行を管理するリーダーが各班におかれました。
プロジェクトの準備が整ってからも、製作を効率的に進めるためには同時進行が必要な作業が数多くありました。デジタル班が3Dモデリングを開始すると同時に、造形班はアイデア実証用にスティルトなどの各部品の試作を始めていました。
デジタルモデルと試作が完了すると、ジャベリンに実際に使用される部品の3Dプリントと作成が行われました。なお、デジタルモデルの決定稿は高解像度で3Dプリントされています。次の段階では、工場班がそれぞれの部品を組み立て、完璧なまでにヤスリ掛けしていきます。コロッサスに限ってはその巨体もあって、他とは異なる手法で組み立てられ、内部骨格をアルミ合金と塩ビ管で組み立てられています。一旦すべてが組み合わさると、この班は最終的な組みつけと塗装作業へと移ります。
ここで取り付けポイントや開閉箇所が決められ、塗装前に装甲部品やアンダースーツに固定されます。最終的な組みつけ強度と安定性にチームが満足できた時点で、いよいよ装甲部の塗装前の下処理が行われます。ジャベリンの塗装には、各スーツの破損や汚れの雰囲気を生み出すため、非常に緻密なマスキングとテーピング作業が必要となりました。まずはベースとなる層が塗られ、塗装班はそこからエアブラシ塗装、ウォッシュ加工、パティナ加工などを行い、全ての要素に命を吹き込んでいきます。そして塗膜を保護するための最後のクリアコートが掛けられ、ジャベリンエグゾスーツは最後の組み立てが行われます。
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