「The Sims」の25周年を祝おう:Alice Lo Deeks
「The Sims」の25周年を記念して、ゲームの舞台裏を支えるチームが、大きな影響のあったアップデートを振り返ります。

この25年間、チームは人生の多くの可能性を反映するような奥が深く、考えさせる、本物の体験を作り出すことに情熱を注いできました(あったらいいなと思うようなちょっとした空想の可能性も追及してきました)。ですが、人生とはとても大きなものだということがわかってきました。だからこそ私たちは、「The Sims」のユニバースを、プレイヤーコミュニティを表現するようなストーリーテリングのプラットフォームになるよう拡大するために、新コンテンツや機能を導入し続けています。
今なお続く25周年記念の一環として、私たちはチームメンバーにインタビューをして、「The Sims」のチームに加わってから最も大きな意味を持つプロジェクトについて聞き、彼らのユニークな視点が、過去25年間にわたって追加し続けてきた機能やアップデートの方向性にどのような影響を与えたのかを探りました。今回は、アソシエイトエクスペリエンスデザインディレクターのAlice Lo Deeksに、チームが行った最大規模かつ最重要なアップデート、メインメニューについて伺います。

「The Sims」でのあなたの最初の役割は? それから、その後どのように変化しましたか?
ここでは7年間働いています。私が参加したときは、チームはずっと小さいものでした。私はシニアエクスペリエンスデザイナーとして始めました。「Get Famous Expansion Pack」の機能の一部に関わり、最終的にはリードエクスペリエンスデザイナーとなって、主に「Discover University」のパックリーダーになりました。「シムの作成」のストーリーや最初のスクリプトつきオンボーディングチュートリアルなどの機能に取り組みました。
そして最終的に、「The Sims 4」のエクスペリエンスデザイナーになりました。役割が変わり、デザイン戦略、リサーチ戦略、デザインチームのメンタリング、ビジョンをすりあわせるための分野横断的なリードとの協力、全般的なチームプランニングにより多く関わるようになりました。そのため、今やっていることの多くは必ずしもプレイヤー向きとは言えませんが、最高のプレイヤー体験を目指し、チームが最高の仕事をするための手伝いをしています。
最初に取り組んだのは何ですか?
この仕事を始めた頃は、「Get Famous」の名声の進行システムや評判システムに取り組みました。物事の最初から最後まで関われた良いタイミングだったので、オンボーディングから、物事について奥深く考えたり、チームがこのシステムについてどのように考えているかを確認したり、「The Sims 4」の他の部分とどう協調していくかについて確認できました。

今まで取り組んできた中で、一番大きな意味があったものは何ですか? その理由は?
記憶に残っているプロジェクトの1つは、「夏の音楽イベント」ですね。ライブサービスとしてイベント導入に挑戦するのは初めてで… チームにとっては、構想だけでなく、実行するのも目新しいことでした。限られた時間とリソースの中で、仕事を進めつつ多くを学び、最終的な成果についてはとても誇りに思います。
さらに、メインメニューの再デザインにチームが協力してアプローチしたことも、特に誇りに思います。調査やコミュニティーの意見に耳を傾けることに長い時間をかけて、それを元に不便なポイントを特定し、再デザインの方法性を導いてくれる主な柱を据えました。メインメニューのデザインは、より個別化された「The Sims」体験を形作るようなものを目指し、より要素を集約させ、アクセスが簡単で、視覚的に魅力があり、心地がよく、おかえりと迎えられたような感じがするものへとデザインの焦点を変えました。プレイヤーの世帯を正面の中心に表示したかった理由の1つがそれです――それこそがプレイヤーにとって一番重要なことですから。
私たちが本当に深く考えたポイントについて、プレイヤーの皆さんが共鳴してくれたのを耳にしたとき、自分たちの試みの意図が認められたようないい気分になりました。私たちのやりたかったことが皆さんに本当に理解されたことを感じて、心が温まりました。
あなたの個人的な体験は、どのように仕事に関係していますか?
私は「シムピープル」をプレイして育ち、今では「The Sims 4」をプレイしています。自分自身の世帯を作って、ペットと一緒に自分だけのストーリーを語りました。なのでかなり慣れてはいたのですが、あらゆるシステムのニュアンスにまでは馴染みがありませんでした。誰もがこれに長時間取り組んでいるので、今でも言うジョークは、「あまりに奥が深いから、私たちだって知らないような細かいことがあるよね?」です。なので、例えば他の配信者がプレイするのを見る時は、新しいプレイ方法を見つけたりしますね。
エクスペリエンスデザイナー兼ゲーマーとして、私たちはプレイヤーへの共感を多く持っています。プレイヤーが何を望み、ゲームをどのようにプレイするかを理解することは、私やチームが最高のプレイヤー体験を作るのに本当に役に立ちます。私たちは常にコメントを読んでいますし、人々の反応も見ていますし、たくさんの調査やテストを行っています。

Maxisにとって、プレイヤーが「The Sims」で自分を表現できることは、どれだけ重要ですか?
とても重要だと思います。ゲームに自分の姿を投影したくない人なんているでしょうか?状況的なものであっても――例えば妊娠したり、変化を遂げたり、人生のさまざまなステージであっても――再現できて、それに関する物語を語れるのは、とても意味のあることだと思います。私は多くの時間をアクセシビリティに費やしています。色のコントラストやフォントの大きさなどの小さいことから、UIの拡大縮小ができたりスライダーを使って読みやすくしたりなどの大きな機能まで、さまざまです。そのすべてが重要です。
