『F1 25』Q&A:クリエイティブ・ディレクター ギャビン・クーパーがシリーズ最大規模の作品について語る
大作映画のタイアップ、最先端技術、そして世界最高のレーシングゲームを作るために必要なものについて語ります。
2025年3月7日


ピットレーンはオープン、マシンはグリッドフォーメーションに入り、赤信号は消灯!『F1® 25』が正式にリリースされ、プレイヤーの手に渡りました。
そこで我々は、今こそ『F1』のクリエイティブ・ディレクターであるギャビン・クーパー氏の独占Q&Aを行う絶好の機会だと考えました。ギャビン氏は何十年にもわたり、ゲーム開発においてのクリエイティブな勢いを先導してきました。90年代後半からレースゲームの開発に携わっており、世界中の何百万人ものプレイヤーやファンに楽しまれている、比類なきリアリティと没入感を備えたタイトルを手がけ、キャリアを築いてきました。
一方、Formula 1は世界中で人気が急上昇しており、2024年には9000万人近い新たなファンを獲得し、アメリカのポップカルチャーにおける存在感も高まっています。そして『F1 25』は、プレイヤーとファンが交流し、ファンダムを祝うのに最適な場所です。
今回のQ&Aでは、ギャビン氏が、チームとともにいかにして世界最高のレーシングゲームを作っているのか、新しいテクノロジーの進歩とそれがプレイに与える影響、より良い作品を目指してコミュニティと協力すること、この夏の話題作であるF1映画との独自のコラボレーション、そしてF1というスポーツとそのファン、それを取り巻くカルチャーを称えるゲーム制作などについて語っています。
それでは、さっそく始めましょう。

『F1』シリーズのクリエイティブ・ディレクター、ギャビン・クーパー氏
「『アイコニックエディション』を先行予約したプレイヤーは、APXGPをドライバーキャリアやマイチームで使用でき、所属ドライバーであるソニー・ヘイズとジョシュア・ピアーズをフィーチャーした、映画に登場する白熱のレースバトルを再現するさまざまなゲームプレイシナリオを楽しめます」
今日は参加してくれてありがとうございます、ギャビン!それでは、エキサイティングな新技術やゲームプレイなど、シリーズ最新作の新機能について語っていきましょう。ですがその前に、今年はF1にとって見逃せない大ニュースがありますよね。まずは映画『F1』とゲームの関係から聞かせてください。この夏は、話題の超大作映画が私たちを魅了してくれることでしょう。現在のところ、映画とゲームのコラボレーションの企画はありますか?
『アイコニックエディション』を先行予約したプレイヤーは、APXGPをドライバーキャリアやマイチームで使用でき、所属ドライバーであるソニー・ヘイズとジョシュア・ピアーズをフィーチャーした、映画に登場する白熱のレースバトルを再現するさまざまなゲームプレイシナリオを楽しめます。これらの大部分は映画公開に合わせ、ゲーム発売後に配信されますが、最初のシナリオは今後の内容を垣間見せる予告編的な位置づけとして、発売と同時に誰でもプレイできるようになります。これらのシナリオをすべてクリアしたプレイヤーは、報酬としてソニー・ヘイズのヘルメットを受け取り(ジョシュア・ピアーズのヘルメットは『アイコニックエディション』を先行予約した人に即座にプレゼントされます)、これはゲームのその他のモードでもカスタムドライバーに着用させることが可能です。
「今年は特別な年です。Formula 1®が75周年を迎え、さらに今シーズンは近年まれに見る劇的な展開が期待されていますから」
それは楽しみですね!さて、この素晴らしくユニークな『F1』特別版には、語るべきことが多くあります。まずは『F1 25』の根幹となるクリエイティブビジョンについて伺います。これまでのシリーズ作品と比べて、本作はどのように異なっていると思いますか?
今年は特別な年です。Formula 1®が75周年を迎え、さらに今シーズンは近年まれに見る劇的な展開が期待されていますから。このスポーツは魅力的な物語に満ちあふれており、『F1® 25』もまた同様です。私たちは、F1チャンピオンシップの物語を追体験できる『F1』ゲームを作りたいと考えました。新規プレイヤーと長年のファン、両方の心を躍らせるFormula 1®大作モード「ブレーキングポイント」の最新章で新たなストーリーを体験し、自分だけのF1の夢を体現しながら、友だちと競い合い、つながることができる。そんな作品を目指しました。

「新たなテクノロジーは、『F1 25』がレースシミュレーションにおけるリアリズムと没入感の水準をさらに高め続けるうえで、極めて重要な役割を果たしています」
F1は年々、レーシングシミュレーションの限界を押し広げ続けています。それを達成するために、新しいテクノロジーはどのような役割を果たしましたか?また、特に注目しているテクノロジーは何ですか?
新たなテクノロジーは、『F1 25』がレースシミュレーションにおけるリアリズムと没入感の水準をさらに高め続けるうえで、極めて重要な役割を果たしています。ゲームプレイの観点で言うと、LIDARによるサーキットのアップデートが特に際立っていますね。これは、エリアを高精度でスキャンするセンサー技術のことです。バーレーン、マイアミ、メルボルン、鈴鹿、イモラの5つのコースがLIDARレーザースキャンによってアップデートされ、これまでで最も精密にコースが再現されています。高低差や路面のグリップ感、ビジュアルの細部に至るまで違いを体感でき、1周ごとの走行がこれまで以上にリアルに感じられます。
ゲームのグラフィック、シネマティクス、オーディオに関しても、さまざまな改善を加えました。ビジュアル面では、実際のサーキットをより忠実に再現するために、路面シェーダーがアップデートされています。トーンマッピングの改善により、ゲーム全体を通じて、あらゆる天候下での映像表現に一層の深みと迫力がもたらされました。アスファルトだけでなく、LIDAR技術によって樹木や植生が実際のものとより一致するようになり、種類や大きさ、形状が忠実に再現されています。鈴鹿には桜の木などの新たな要素も追加されています。ライティング、影、サーキット全体の改良に加え、PC限定の最新技術パストレーシングも導入されます。要件を満たすPCをお持ちなら、パストレーシングによってコース上の光の効果がこれまでにないリアルさで体験できます。
「コミュニティの声に耳を傾けることは、私たちがゲームを作るうえで常に重要な要素となっています」
今回のエディションで、特に気に入っているゲームプレイ面での進化は?
オーストリア、シルバーストーン、ザントフォールトの、3つの逆走コースを登場させました。コースを逆走してみると、その違いは想像以上に大きいことが分かります。多くの場合、これまでの知識を捨てて、まったく新たなコースとして考える必要が出てくるでしょうね。
『F1 24』で導入された、本物のドライバーのボイスオーバーシステムは、今回大幅に拡張されました。昨年に比べてセリフ数が約2倍に増加し、さまざまな場面で使われています。予選や決勝でのドライバーの音声に加え、チーム代表の音声や、レースエンジニアとのやり取りなど、これまで以上にリアルで没入感のある体験をプレイヤーに届けることを目指しました。
さらに、プレイヤーがスペシャルドライバーをより細かく制御できるようにしました。キャリアモードの両方でAIチームがスペシャルドライバーをマーケットから獲得できるようになりました。つまり、ついにあの有名ドライバーたちと直接対決できるようになったということです。

Codemastersがプレイヤーとの結びつきが非常に強く、互いに学び合い、必要に応じて改善を重ねていることはよく知られています。そうした姿勢を踏まえてお聞きしますが、『F1 24』で多くのプレイヤーから指摘されていた課題で今回特に改善を目指した点などはありますか?
コミュニティの声に耳を傾けることは、私たちがゲームを作るうえで常に重要な要素となっています。「マイチーム」の刷新、「ブレーキングポイント」新章の実現、新しいデカールエディターなど、『F1 25』で実装した新機能やアップデート機能のほとんどは、ファンの要望に耳を傾けた結果です。
また、マシンのハンドリングにも重点を置きました。『F1 24』にまだ進化の余地があることは分かっていたので、プレイヤーから寄せられた声を基にして、それらへの対応を優先的に進めました。シムレーサーやコンテンツクリエイター、そして先行プレイを行ったコミュニティからのフィードバックを受けて、コアとなるハンドリングモデルを再構築しました。そのフィードバックを反映したことで、よりバランスが良く安定した走行感覚を実現でき、アンダーステアを抑えつつ、加速時のリアの反応もより扱いやすくなっています。
「今年から、新たにプレイヤーはKonnersportを「ドライバーキャリア」と「マイチーム」の両方でも使用できるようになりました。7月11日までに『アイコニックエディション』を先行予約または購入した本製品の所有者は、映画『F1®/エフワン』のAPXGPチームも同様に使用できます。」
ゲームモードについて聞かせてください。『F1 25』の新機能やモードで、長年のファンでも驚いたり喜んだりすると思われるものはありますか?
やはり目玉となるのは、ファンに大人気の「マイチーム」モードですね。今回、2020年の登場以来最大のアップデートが施され、プレイヤー自身がF1チームのオーナーになれるようになりました。それだけでも盛りだくさんの内容で、2人のドライバーを管理する体制への移行、それに伴うドラマの展開、まったく新たな施設改修システム、独立した管理項目として導入されたアップグレード開発、新しいスポンサーシステム、労働力の管理など、追加要素は多岐にわたります。また、新たに追加されたデカールエディターでは、あらゆるモードでこれまでで最もリアルなカラーリングの作成が可能で、とりわけチームの個性づくりが中心となる「マイチーム」モードではその魅力が際立つでしょう。
そして「ブレーキングポイント」も復活し、Konnersportはこれまでの中団争いから脱し、ついにチャンピオン争いに加わることになります。今年から新たに、プレイヤーはKonnersportを「ドライバーキャリア」と「マイチーム」の両方でも使用できるようになりました。『アイコニックエディション』の所有者は、映画『F1®/エフワン』のAPXGPチームも同様に使用できます。

『F1』ゲームの文化的影響について聞かせてください。このシリーズは、コントローラーを手にすることで、誰もがF1と直接触れ合える唯一の方法です。そしてF1は、年々世界中で、特に北米で人気が高まっています。レース全般への愛と文化を広げることは、あなたにとってどのような意味がありますか?
私たちはその責任を非常に真剣に受け止めています。ファン層が拡大していることは強く認識しています。このスポーツは特にアメリカで急速に成長しており、プレイヤーの動機も多様化していますよね。私たちのゲームを通して、プレイヤーがFormula 1ドライバーになったかのように感じられること。それが私たちの一番の目標です。プレイヤーにヒーローのような気分を味わってもらい、さまざまな機能を通じてFormula 1の世界を体験できる機会を提供したいと、私たちは考えています。プレイヤーの中には、オンライン対戦や「ドライバーキャリア」「マイチーム」を通じて、争って頂点を目指すことこそがすべてという人もいます。一方で、「ブレーキングポイント」のようなストーリー重視の機能や、「F1 World」で手軽に楽しめるチャレンジなどを通じて、より気軽にコンテンツを楽しみたいというプレイヤーもいます。ゲームの楽しみ方に関わらず、プレイヤーにエキサイティングな瞬間を提供することこそが、私たちの責任です。

「F1を好きになったきっかけが何であれ、プレイした後に『これぞF1だ』と感じて笑顔になってくれることが何よりの願いですね。それが達成できれば、とても嬉しいです」
なるほど。ギャビン、今回はお時間をいただきありがとうございました。最後にひとつお聞きします。プレイヤーが『F1 25』をプレイし終えたときに、ひとつ強く印象に残るものがあるとすれば、何であってほしいですか?
F1を好きになったきっかけが何であれ、プレイした後に「これぞF1だ」と感じて笑顔になってくれることが何よりの願いですね。それが達成できれば、とても嬉しいです。
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