「The Sims™ 4」と内向的な特質
「The Sims™ 4」の新拡張パックには、ニューロダイバースな開発者にインスパイアされたストーリーが登場
編集者コメント: 2022年9月23日時点で、ゲームプレイのメッセージがより正確に反映されるように、このストーリーが更新されました。
高校時代に何をしたらいいのか、何を言ったらいいのか分からなくて気まずい思いをしたことはありませんか?その気まずさは時に大人になっても続きます。ですが、ここEAではそんなことは気にしなくて大丈夫。新しい「The Sims 4 High School Years 拡張パック」では、EAは異なるアプローチを取ることを決定しました。この新拡張パックで取り上げられるのは新しい属性「内向的」です。EAのインターン生Anna Machataは、インターンプロジェクトの一環としてこれを設計し、最近MaxisのゲームデザイナーとしてEAに戻りました。この新しい特性に関する最新ニュースをお伝えするため、EAテクニカルライターのNia Morganは、Annaにインタビューを行いました。
あなたの経歴と、EAのインターン時代の経験について教えてください。
Anna:コンピューター科学の学士号を取得しています。この専攻を選んだのは、自分が違いを生み出す分野に入りたいと思ったからです。インターンとして参加する機会があるとは思ってもいませんでした。EAの企業文化は、全従業員の個性と多様性に対する考え方を重視しています。そのため、フルタイムで戻って来たいと強く思っていました。ゲームデザインチームにいるニューロダイバースな一員として、私は障がいに注力した社内の従業員リソースグループからのサポートやアドバイスだけでなく、私のチームの全メンバーとマネージャーからのサポートを受けたお陰で、この機能を作成するだけでなく、私のユニークなニーズが重要なこととして捉えられている、と感じることができました。こんなに前向きなチームの一員になる機会を得て、本当に感謝しています。
「内向的」特質で、プレイヤーが期待できることは何でしょうか?
Anna:プレイヤーの皆さんには、新しいゲームチャレンジや、交流するシムとの深い関係性を楽しんでいただけます。この特質を持つシムは、ほとんどの社交的な状況で不安を感じ、それに応じて反応するようになります。他のシムと交流したり、社交的な環境で交流したりすると、大きな報酬を受け取れます。
「内向的」の特質を持つことで、シムはどんなゲーム内特典を受け取れますか?
Anna:この一年間、「The Sims™ 4」チームはシムズの世界にメモリーを導入してきました。メモリーとは、シム同士が互いに感じる全体的な感情の繋がりです。これらのメモリーはゲーム内でトラッキングされ、シムの気分を決定する要因となります。「内向的」特質を持っているシムは、他のシムと気まずい交流を持つ可能性が高くなり、友情を深めるのは難しくなりますが、不可能なわけではありません。カリスマスキルを高めるほど、難易度は下がります。社交アクションの困難を乗り越えようとすると、社会的に気まずいシムは緊張したり恥ずかしい思いをしたりすることが増えます。しかし、社会的に気まずいシムがこの困難を乗り越えられると、彼らは自信に満ちた幸せなムードレットを獲得し、仲良くなろうとするシムに対して強力でポジティブなメモリーを得ることができます。
この機能を作成したきっかけについて詳しく教えてください。
Anna:メンタルヘルスに関するネガティブなイメージを打ち破り、ニューロダイバーシティの意識を高めるのには情熱を感じました。私は子供の頃から「The Sims™」シリーズをプレイしてきました。それが自分のアイデンティティを探求するスペースを与えてくれたと思っています。しかも安全な空間でした。この特質は精神的健康状態やニューロダイバーシティーを代表するものではありませんが、私はニューロダイバーシティーとしての経験を反映した特質を作りたいと考えました。この特質で、いくらかのプレイヤーが私との類似性を見つけ出して、「The Sims™」が長年私に与えてきてくれた、安全に物語を摘むゲル空間を、心地よく感じてもらえたらと思います。すべてのプレイヤーがこの特質に関係しているわけではありませんが、共感するプレイヤーの皆さんには、現実世界とゲームの両方で最もリアルな生活を送る力を感じていただければと思います。このような特質を作成することは、すべてのプレイヤーにとってよりインクルーシブで現実的な環境を作るためのもう一つのステップのように思えました。
そのプロセスにおいて一番気に入っている部分は何ですか?
Anna:クリエイティブなところが特に気に入っています。 この特質はリアルなものにしたいと考えましたが、自分が経験した社交の不安の、やりがいのある面も強調したいと思いました。それは、克服し、やり抜いたときの特別な瞬間、そして本当の友達ができたときの特別なつながりです。特質の中でも特に気に入っているのは、「ポッドで一つになった」メモリーです。社会的に気まずいシム2人が友達になると、彼らはこのメモリーを獲得します。お互いの関係の向上がより簡単になり、連絡を取り合わなくても友情の減少がゆっくりになります。この特質に関わるプレイヤーが、「The Sims™」と現実世界の両方に幸せと自信を与える特別な機会があると知って、ホッとできることを期待しています。このような特質のひねりをゲーム内でプレイヤーの皆さんに発見してもらうのが本当に楽しみです。
着想から完成までどのようなプロセスを辿りましたか?特に考慮した点はありましたか?そして、どのようなリサーチを行ったのでしょうか?
Anna:このパックには、「パーティー好き」と「やることリストマニア」という2つの特質があります。どちらも学校関連です。これらは本当に社交的な特質とは言えません。ご存知のように、これは高校の拡張パックなので、社交的な気まずさについて何かを含めるのは理にかなっていたと思います。そして、ニューロダイバーシティーの方の多くが共感できる特質をシムに取り込むことにワクワクしました。私たちは皆、どこかの時点で社会的に気まずい思いをします。それに、現在のパンデミックの状況を考えれば、社会不安やより漠然とした不安は、ティーンの間で広まっているでしょう。私が読んだ7カ国での社会不安に関する報告によると、16~17歳のティーンの約22%が何らかの形で社会不安を経験していると述べています。その体験をシムにも表現して欲しいと思いました。自分の経験や外部の経験を多く使い、社内の専門コンサルタントとも協力して、リサーチを行いました。この特質を作成するのは難しいものでした。現実世界では、ソーシャルな不安や不器用さは、ゲームの中では再現できない多くのものによって引き起こされるからです。この特質は、現実世界の社会的不安の規範としてプレイヤーに捉えてほしいわけではありません。それよりも、一部のプレイヤーにこの特質の中に自分自身の姿を少しでも見つけてもらい、シムが社交の困難を克服するのを見て安心してほしいのです。私はこのアイデアをプレイヤーが「怖い」と感じるのではなく、「共感できる」と感じるものにしたかったからです。食堂などで友達と過ごしたり、職場や学校でシムが大事な選択をしなければならないユニークな社交的な状況など、社会的に気まずい人々が不安になるシチュエーションを追加しました。
この機能で注目してほしいポイントはありますか?
Anna:シムを通じて、プレイヤーの皆さんがもっと自分を創造して、自分を見つけてくれることを願っています。この特質は、このゲームの世界の安全な世界の中で、プレイヤーが自分の気まずさを少しでもプレイできるものにしたいと考えています。共感してくれるプレイヤーにとっては、彼らのシムが時間を経るにつれより社交的に成功するのを見ることで満足できるでしょう。理想的には、日常生活で時に気まずくなるような社交のシチュエーションにアプローチする自信を人々に与えたいと思っています。また、社交が苦手なプレイヤーに同情と理解を生み出し、有意義な会話や変化を生み出してくれることを期待しています。
EAでは、私たちのゲームにさらなる多様性をもたらす革新的な方法を常に模索しています。この機能や「The Sims™4」について詳しくは、公式ウェブサイトをご覧ください。
