• 開発者の声:BerduuことPetri Levälahti にインタビュー Berduuが世界中を魅了するインゲームフォトグラフィーについて語ります。

    高い芸術性を持ったインゲームフォトグラフィーでプレイヤーを魅了しているBerduu(Petri Levälahti)に、DICEに正社員として採用されるまでの道のりを語ってもらいました。

    最初にインゲームフォトグラフィーに興味を持ったのはいつですか?

    4年ほど前、たまたま「Dead End Thrills」というサイトを見つけたのがきっかけです。スクリーンショットを通してビデオゲームアーティストやエンジニアの素晴らしい才能を評価するウェブサイトです。サイトを運営していたのは、Duncan Harrisという人物で、インゲームフォトグラフィーのパイオニアであり、非常に多才なDIYアーティストです。インゲームフォトグラフィー界のウェイン・グレツキー(有名な元アイスホッケー選手)とも言える存在です。

    掲示板を閲覧していると、jim2point0さんが撮影した「バトルフィールド 4」の美しくあざやかで計算された構図のショットが目に飛び込んできました。その時、自分でもやってみたいと思ったんです。jimさんを含むコミュニティのメンバーが私に必要な技術を教えてくれました。撮影モードのあるゲームは珍しいので、フィンランドのMOD製作者Matti Hietanenが作ったカメラハックやMODを使用することがほとんどでした。

    作品を制作する場合、特定のプロセスはありますか?

    通常は、DICEにある素晴らしいコンセプトアートにどっぷり浸るところから始まります。それからレベルを上げて、良いスポットを探し始めるんです。

    リアルタイムレンダリング環境での作業は、スクリーンショットを撮るというよりシーンを作る事に近いと思います。マーケティング用のアクションショットには、なるべく重要な場所で物事の輪郭や奥行き、形、光と影がバランスよく撮れる角度を探します。そこにアクションやキャラクターを投入して、いろいろ試行錯誤をして、どのように仕上がるかを確認します。色々試している間に、近くにはもっと良い場所があるのでは、と魔が差すので、納得いくまでこの繰り返しです。毎回最高のショットを撮りたいのは当然ですが、時には「うん、イイんじゃない?」というショットで納得する事もあります。

    構図はゲームウィンドウを小さくした状態でショットを配置し、組み立てた後、大きなフレームでディテールをチェックします。たとえ親指の爪ぐらいのサイズでも、わかりやすいショットであることが重要なんです。

    どういった経緯で、DICEのメディアエディターとして採用されたのですか?

    2014年にDICEから連絡があり、フリーランスとして「バトルフィールド 4」のスクリーンショットを撮ってみないかと言われました。その仕事が「バトルフィールド ハードライン」「バトルフィールド 1のアルファ/ベータ版へと繋がりました。最終的にはスウェーデンに移り、DICEの正社員として勤務することになったんです。

    インゲームフォトグラフィーを通して、ゲームの物語をどうやって表現しているのですか?

    マーケティング用のショットは、指定されたステージ(マップ)の見た目や雰囲気と、登場するキャラクターをギュッと濃縮して1つのイメージに収める事が求められています。映画のような手法で、カッコイイ瞬間やキャラクター、華やかなステージ、面白いゲームプレイメカニクス、あるいはステージの目的を表現したいというのが私の希望です。

    私のFlickrページにアップしているホビーショットは、単なるビデオゲームの紹介や、記録としてのスナップショット、あるいはその時プレイしているゲームのアートを見せるものだったりします。ゲームの面白さを自分のショットに取り入れる事ができた時は、特別な感じがしますね。特にキャラクターショットの場合、角度、ライティング、アニメーションを停止した位置など、詳細が重要になるんです。こうした細かい部分が人間的な表情のキャラクターにするか、魂のないビデオゲームのキャラクターにするかの違いを生みます。

    DICEから制作に関する指示を受けることはありますか?

    社内には、才能あふれるアートディレクター、コンセプトアーティスト、レベルアーティスト、ライティングアーティストが数えきれないほどいます。「魔法」を起こすのは彼らです。その彼らが考えや意見を共有してくれる時は、できるだけ聞くようにしています。

    トレーラー制作チームと協力して作業することが多いのですが、彼らは経験が豊富で私が入るまでは、スクリーンショットの制作も行っていました。「STAR WARS™ バトルフロント™ II」のアートディレクターAndrew Hamiltonには、入社当時に本当にお世話になりました。信じられないぐらい手を貸してくれました。今スウェーデンにいる中で一番のナイスガイだと思いますよ。

    仕事で一番のチャレンジとやりがいを感じる時は、どんな時ですか?

    マーケティングショットは、満たさなければいけない項目が山ほどあります。構図が良く、目的がハッキリしている、ブランドイメージにも合うショットでありながら、さらに多くの関係者を満足させて承認を得る必要があります。さまざまなことをバランスよく調和させなければならないんです。幸い、私はショットにだけ専念できます。優秀なマネージャーViktoria Anselmが他のことを全部やってくれますので。

    最高の一瞬やカッコ良いキャラ、華やかなステージ、あるいは面白いゲームプレイのメカニクスを感じてほしいです。

    開発中のステージに取り組むことが多いので、1、2週間後にはどう仕上がるかを想像する事も多いです。ステージが完成していないので、仕上がっている箇所に作業が制限されることもよくあります。不具合を回避しながら進める必要がある箇所にも遭遇するので、場合によっては自分のショット内の不具合を取り除くために、何時間も費すことがあります。

    仕事で一番やりがいがあると感じるのは、完成した画像を「承認済み」フォルダーにドラッグするとき。EAのアーティストが彼らのポートフォリオに私のショットを使ってくれるときもワクワクします。私が作品を引き立てる事に成功したって意味ですから。

    インゲームフォトグラフィーは今後どう発展していくでしょうか?

    もっと身近になり、人気も高まるといいですね。最近は多くのゲームに撮影モードが備わっていて、ユーザーにも使われています。進化し続けるといいのですが、多くの場合、カメラの動きが限定されていて、制限も多いです。フィルターの数よりも、カメラが完全に自由であることの方がはるかに重要だと思います。撮影モードが優れていれば、下手なショットの言い訳にはなりませんからね。

    インゲームフォトグラフィーに趣味ある、またはキャリアとして極めたいと思っている人達に何かアドバイスをお願いします!

    コンソールの撮影モードを楽しんでいるけど、もっと真剣にショット撮りたい場合はPCにお金をかけること。超パワフルなモノでなくても構いませんが、ピクセルが多いほうが活躍します。

    HattiwattiやFrans BoumaのよにカメラMODも試してみましょう。1080p、4K、16:9の制限がなくなります。友達にもっと好かれるようになったり、 自分が魅力的になったと感じたり、 食べ物がおいしくなったり、 もっと幸せに暮らすようになれるかもしれませんよ。

    インゲームフォトグラフィー関連の仕事に就きたいのであれば、職業として取り込める事に期待をしない事。まずはインゲームフォトグラフィーが大好きである事を確認してください。アクティブに行動し、気に入ったゲームのコミュニティーで良いショットを撮れば、良いことに繋がるかもしれません。私の場合はShadow6ixさんやHoodoo_Operatorさんとなど、公式トレーラーの作成に携わる人がいる「バトルフィールド」コミュニティで取り上げてもらったのがきっかけです。

    自分自身の作品には批判的でいてください。Instagramの投稿で1,000人から「いいね」をもらっても、実際のところ何の意味もありません。私は、撮ってきたショットの1割にしか満足していません。前夜に作成したショットを次の朝に見て恥ずかしくなることもあります。

    Cormac McCarthyの「チャイルド・オブ・ゴッド」から、お気に入りの文を紹介しましょう。鍛冶屋が、彼の作品について話している場面で

    「世間のことと同じさ」と言うんです。「間違えを最小限に抑えたと思ったら、結局何もかも間違えてしまった」と。

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    DICEは常に、世界中の優れたゲームを創る意欲を持った、能力の高い自発的な人材を求めています。求人募集の詳細は、EA Career Search(EA採用情報サイト)でご確認ください。

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