「FIFA」や「Madden」、「NHL」などのEA SPORTSタイトルではコンソールの限界に常に挑戦し続けています。EA SPORTSサマーシリーズでは、各チームがゲームの質を高める様々な方法をご紹介していきます。
「Madden NFL」に収録するNFLトッププレイヤーの外見をキャプチャーする作業には多くの時間がかかります。
また、少し変わった環境で作業を行う事もあります。
「押入れ程のスペースで作業をしたこともあるんですよ。」とアシスタントプロデューサーのWill Gibsonは語ります。
Gibsonは「Madden NFL」に収録する、NFLプレイヤーの外見キャプチャーを担当しています。オフシーズンの度に数百人ものプレイヤーのキャプチャー作業に取り組み、ゲーム内での選手の外見が本物そっくりになるようにしています。
彼は外見キャプチャーを担当している3人チームの1人で、チームメンバーはキャラクターアーティストと経験豊富な装置オペレーター、ゲームデザイナー/プロデューサーで構成されています。
「私が扱うのは未加工のデータで、それらをアーティストに受け渡します。」と彼は語ります。「そして彼らが顔に命を吹き込みます。」
同時にシャッターが押せる、12台のDSLRカメラを搭載した装置を使い写真をキャプチャーし、完全な3Dスキャンを作成します。
現在の使っている装置は5つ目で、シューズやヘルメット、フェイスマスクなどの小道具をキャプチャーするために改良されました。装置が変更されても、我々が重要とする事は変わりません。選手の顔をできるだけ本物そっくりにレンダリングするのに必要なデータをキャプチャーすることです。
「繰り返し行えば行うほど、より良い出来になっていきます。」とGibsonは語ります。
写真のキャプチャーが完了すると、Anastasia Nikolaevaをはじめとしたキャラクターアーティストがそれぞれのプレイヤーの外見を形作っていきます。
「キャプチャーは選手の外見をゲームに落とし込んでいく上で踏み台となる段階ではありますが、各選手の頭部のスキャンには膨大な作業量と時間がかかります。」とNikolaevaは語ります。
同じ選手についてさまざまな表情であったり目を開けた状態や閉じた状態、その他にも変化をつけてキャプチャーを行います。
「Maddenでは通常、正面、横顔、後頭部の3種類の角度からキャプチャーを行います。」とNikolaevaは語ります。 「表情の動きを知ることは、ゲーム内での動きのある選手の外見を作成する上での参考になります。」
Gibsonは1年の約4分の1を出張に費やし、できるだけ多くの選手をキャプチャーするためにアメリカ中を飛び回っています。チームに加わってから、彼は約1,500人の選手をスキャンしてきました。
「最も忙しい時期はNFLシーズンの終盤から8月の「Madden NFL」のリリースまでずっとです」と彼は言います。
今年のオフシーズンもチームはとても忙しく、NFLコンバインに招待された330名の選手のほぼ全員のキャプチャーを行いました。
過去には、州を越えて別のメンバーにキャプチャー機材を送ることもありました。今では以前より効率的になり、スキャンにかかる時間も短くなりました。写真のキャプチャーにかかる時間は通常ほんの数分で、アーティストは各選手の頭部を3日以内の作業で仕上げます。
「外見の複雑さやスキャンの品質によってかかる時間は異なります。」とNikolaevaは語ります。そして最後に、アートディレクターの承認を得てゲームに実装されます。
Gibsonは2011年にTiburonスタジオでアシスタントエディターとしてキャリアを始め、「Madden NFL」および「PGA」の動画コンテンツを担当しました。Nikolaevaはキャプチャーに携わる以前は頭部モデリングを担当していました。
2人はこの2年間、「Madden」の外見に関わる作業をしながら、毎年数百人に及ぶ選手のキャプチャーを行うには「真にクリエイティブなパートナーがいてこそ可能である」ということを理解しています。
「私の仕事内容は珍しいものですが、結局のところ大切なのはスタジオやパートナーとの協力です。」とGibsonは言います。
「より良いゲームを作り続けていくために私はアートチームを信頼しています。そうすることで、データのキャプチャーをさらに向上させていくことが可能になるのです。この業界でさらに成長を続けてチームとしてより良いゲームを作り続け、その成長に微力ながら確実に貢献できていることに喜びを感じます。」