「The Sims」の25周年を祝おう:JoAnna Lio
「The Sims」の25周年を記念して、ゲームの舞台裏を支えるチームが、大きな影響のあったアップデートを振り返ります。

この25年間、チームは人生の多くの可能性を反映するような奥が深く、考えさせる、本物の体験を作り出すことに情熱を注いできました(あったらいいなと思うようなちょっとした空想の可能性も追及してきました)。ですが、人生とはとても大きなものだということがわかってきました。だからこそ私たちは、「The Sims」のユニバースを、プレイヤーコミュニティを表現するようなストーリーテリングのプラットフォームになるよう拡大するために、新コンテンツや機能を導入し続けています。
今なお続く25周年記念の一環として、私たちはチームメンバーにインタビューをして、「The Sims」のチームに加わってから最も大きな意味を持つプロジェクトについて聞き、彼らのユニークな視点が、過去25年間にわたって追加し続けてきた機能やアップデートの方向性にどのような影響を与えたのかを探りました。例えば、Maxisで20年間働いてきたベテラン社員のJoAnna Lioは、仕事を始めた時に携わった「ザ・アーブズ」に対して持っている良い思い出、そして「The Sims 4」に性的指向と恋愛の境界線が 含まれていることについて語ってくれました。インターンから制作ディレクターになった彼女の道のりについては以下をお読みください!

本シリーズにおいてのあなたの最初の役割は何でしたか? その後、役割はどのように変化しましたか?
私は、「ザ・アーブズ シムズ・イン・ザ・シティ」という作品の制作インターンとして、Maxisでの仕事を開始しました。インターンとして私は、翻訳の工程をサポートし、音声録音のセッションに必要な情報を集めたり、テキストをエクスポートまたはインポートしたり、チームが必要としていることで私が助けられることはすべてやっていました。私は意図的に就業時間以降も会社に残っていました。その時間帯に、エンジニアたちが最も難しいバグと格闘していることに気付いたからです。シニアエンジニアたちはメモリの不具合を追跡しようとする間、リードエンジニアのオフィスにぎゅうぎゅう詰めになっていました。ゲーム制作の舞台裏をすべて見たかったし、自分がしている仕事も大好きでした。さらに私は、「ザ・アーブズ」がと当時リリースされていたさまざまなゲームとは全く異なるところが大好きでした。
費やした努力は報われました。「ザ・アーブズ」での仕事を終えた後、私はMaxisにデザイナーとして雇われ、コンソール版の「The Sims 2」においての調理システムを作るのを手伝いました。「シムズ ポケット」の「パーティー」といった機能を自分のものとして受け持ったりすることから、コンソール版の「 ザ・シムズ3」の製品を全面的に監督したり、「The Sims 4 Cottage Living」や「Lovestruck」といった拡張パックを担当するまで、私が担う仕事の範囲は歳月を経て広がりました。
最初に取り組んだのは何ですか?
私がMaxisで最初に携わったプロジェクトは「ザ・アーブズ」でしたが、その一年前に私はEA Gamesのコミュニティマネージャーをしていました。それは、ゲーム業界への入門的な役割としては素晴らしいものでしたね。この事業のゲーム開発に関する側面にも絶対挑戦したいと思っていたので、「ザ・アーブズ」に携われる機会を得れた時、私はすごくワクワクしました。現時点で、私はMaxisで20年間以上勤務しています。勤務してきた間ずっと、私はこの仕事に魅力とやりがいを感じてきました。なぜなら、さまざまな人々や人生の在り方を表現し、想像力を強くするという行為には、無限にできる善良なことがあるからです。

今まで取り組んできた中で、一番大きな意味があったものは何ですか? その理由は?
私が取り組んできた機能の中で最も大きな意味があったと言えるものの一つとして挙げられるのは、性的指向と恋愛の境界線の追加です。何故なら、その機能は現実世界に生きる人々の体験の多様性を強調しているからです。この機能について調査をする中で私は、メディアでは表現されることが少ない「無性愛」について学ぶことができました。「The Sims 4 」では現在、「ウフフなことをする」に興味が無いシムや恋愛感情を抱かないシムをプレイヤーが作成できるようになっています。
あなたの個人的な体験は、どのように仕事に関係していますか?
私は子供の頃から馬が大好きだったので、「The Sims 4 Horse Ranch Expansion Pack」の制作に携われたことは、私のプライベートにとても関係することであり、念願の夢が叶った仕事でもありました。私はケンタッキー州で、ケンタッキーダービーといったイベントやブルーグラス地域にある多くの馬牧場に囲まれて育ちました。
乗馬のことや何百種類にも及ぶ品種、さらには馬が人間の歴史にどう織り込まれてきたかといった内容が書いてある馬の百科事典を読んでいました。また、乗馬のレッスンも受けていました。「Horse Ranch Expansion Pack」には乗馬スキルや(私のお気に入りである黒い毛並みのフリージアン・ホースを含む)何十種類もの品種、そして可愛い仔馬を生むためのブリーディングといった機能があり、私は自分の知識や経験の多くを適用することができました。

Maxisにとって、プレイヤーが「The Sims」で自分を表現できることは、どれだけ重要ですか?
表現することは、Maxisにとって大切な中心的価値観です。Breakthrough T1D (旧「若年性糖尿病研究財団」またの名を JDRF)を通して出会った、1型糖尿病を患っているプレイヤーの方々数人とお会いした時、私は心を打たれました。プレイヤーの皆さんは、自分たちのシムに血糖値測定器を付けられることからどれだけの感銘を受けたか語ってくれました。医療器具や補聴器が利用可能になっていることを通して、そういった器具を使用されない人々にも器具の紹介がされ、器具の使用が普通であるという認識が広がります。
