• 「The Sims」の25周年を祝おう:Loel Phelps 「The Sims」の25周年を記念して、ゲームの舞台裏を支えるチームが、大きな影響のあったアップデートを振り返ります。

    この25年間、チームは人生の多くの可能性を反映するような奥が深く、考えさせる、本物の体験を作り出すことに情熱を注いできました(あったらいいなと思うようなちょっとした空想の可能性も追及してきました)。ですが、人生とはとても大きなものだということがわかってきました。だからこそ私たちは、「The Sims」のユニバースを、プレイヤーコミュニティを表現するようなストーリーテリングのプラットフォームになるよう拡大するために、新コンテンツや機能を導入し続けています。 

    今なお続く25周年記念の一環として、私たちはチームメンバーにインタビューをして、「The Sims」のチームに加わってから最も大きな意味を持つプロジェクトについて聞き、彼らのユニークな視点が、過去25年間にわたって追加し続けてきた機能やアップデートの方向性にどのような影響を与えたのかを探りました。アニバーサリーお祝いシリーズ最後のエントリー(今のところ)では、シニアゲームデザインディレクターのLoel Phelpsに、「The Sims」と過ごした14年間についてインタビューします。この期間中、数え切れないほどのアップデートや追加があり、あらゆる種類のプレイヤーが、自分たちの生活をゲームにより良く反映できるようになりました。

    The Sims」でのあなたの最初の役割は? それから、その後どのように変化しましたか?

    Maxisには14年勤めていますが、EAでは20年ですね。1つの会社に20年も勤めているのは、ある種クレイジーです。それに、Maxisではたくさんの人がずっと長く働いているというのも、興味深いです。ここは終身在職できるようなスタジオで、業界ではある意味前例がないことです。毎日一緒に仕事をしている人々に理由があると思います。

    Maxisでとても興味深いポイントは――就職したときに一番心配した点ですが――製品そのものです。キャリアの最初の10年間は、レベルデザインに集中していました。しかし、Maxisで頻繁に活用できるスキルではありませんでした。なのでMaxisに就職した当初、こう思っていました。「私はレベルデザイナーなのに、どうやってスキルを使えばいいかわからない。キャリアがメチャクチャになりそうだ」(笑)ですが、当時のクリエイティブディレクターと話をしたら、こう励ましてくれました。「このゲームを200時間プレイしてごらん。どんなゲームかわかる。わかってくる。恋に落ちるみたいなものだよ」100%本当でした。このゲーム、「The Sims」はどんなゲームとも違っていて、自分が幸運にも携わってきたゲームの中で一番難しく、新しい困難や問題、語りたくなる物語がいつでも湧いてきました。

    Maxisではリードデザイナーからスタートし、現在はシニアゲームデザインディレクターを務めています。私が影響を与えるエリアは大きく成長しましたが、毎日取り組む仕事は実はあまり変わっていません。それもいいと思っています。リードデザイナーとは、機能を作る小さなチームを率いて、チームがデザインの最適な形を見つける手伝いをするようなものです。ですが、ゲームデザインのディレクションに足を踏み入れると、自分が指揮しなければならない人がずっと増えました。全チームと協力する必要がありますし、人々が求めるものについての考え方について、ベストプラクティスも思いつきました。

    プレイヤーの声にこれまでになく耳を傾ける必要もあります。調査に取り組んだり、プレイヤーが困難に思っていることについて対話し、彼らが求めるものをどうやってゲームに直接取り込めるかを考える必要もあります。今の仕事で素晴らしいのはそこです。3年先の未来を見通せる大局的な視点があり、「チームがここでこれをして、そこでそれをして、あそこであれをしたら、プレイヤーは常に求めてきたこの大きなことをとうとうできるようになるだろう」と考える。始めたばかりの頃にはできなかったことです。

    最初に取り組んだのは何ですか?

    ザ・シムズ3 ショータイム」で歌手キャリアに取り組むのは楽しかったです。これまでは、ゲーム内でステージパフォーマンスやその他パフォーマンスをしようとすると、プレイヤーが「楽器を演奏する」を指示して、シムがそれを実行するだけでした。シムに実行させる方法に、選択肢がなかったんです。なので、オーディオディレクターのRobiと一緒に、どうやって実際にコントロールできるものを作るかについて取り組んだのは、楽しかったです。それで、Aメロが4つ、サビが4つの曲を歌いたいと思えば、実現できたんです。歌の最中に観衆を盛り上げたかったら、それもできる。当時あまり実現されていなかった、ゲーム内でのステージパフォーマンスでより細かいコントロールができるようにする方法を見つけ出すことがテーマでした。また、コントロールするのではなくただ展開を見たい場合はそうすることもできます。そう設定すれば、ただパフォーマンスしてくれます。ですがプレイヤーには、パフォーマンスを構築し、ステージの不安やプレッシャーを感じ、ステージで成功するという感覚を実際に味わってほしかった。

    今まで取り組んできた中で、一番大きな意味があったものは何ですか? その理由は?

    夫と娘と私が住む家の下には、おじいちゃんの家があります。なので、「多くの人が経験している、複数世帯の生活体験を表現するには、どうすればいいか?」と考え始めました。そうして「For Rent Expansion Pack」について考えてみると、多くの人が送っている現実世界での暮らし方を作れるよう、意図的にさまざまなオプションを作りましたね。タワーマンションだけでなく、共有のコミュニティスペースがあって、多くのさまざまな世帯が暮らしているアパートブロックのようなもの。私にとってこれは… 「For Rent」ができるまで「The Sims」では語れなかった物語の1つですね。ですが、世界の大半はそのようにして暮らしています。一世帯の戸建てに住んでいるわけではない。ほとんどの人々、特に世界中では違います。なので私にとって、最近の内容では一番影響があるポイントでしたね。

    「乳糖不耐症」まで遡ることもできますよ。私は乳糖不耐症です。なのでこの特質がゲームに追加されたとき、認識された気がしました。小さなことですが、これも私にとって重要ですね。「ザ・シムズ3」では、ゲーム内やスクリーンショットで、さまざまなライフスタイルや家族形態を表現する限界に挑戦し続けていました。たった15年前のことでしたが、大変なものでした。ですが当時より大きな成長を遂げたと思いますし、重要な価値観として皆が多様性を重んじるチームにいるのを嬉しく思います。

    あなたの個人的な体験は、どのように仕事に関係していますか?

    子供が生まれたことで、ゲーム内または現実生活で親でいることの視点が劇的に変わりました。また、子供時代を再び過ごすことや、子供として遊ぶことの意味も考えるようになりました。かなり衝撃的でしたね。クィアであり夫と結婚していることは、ゲームにどう反映させるか、ゲームに何を見い出したいかに、大きな影響がありました。つまり、人生での重要なマイルストーンは、文字通りそれぞれがゲームに意味のある方法でゲームに取り込まれています。チームのみんなにも当てはまると思います。

    私の仕事は誰しもが、キャラクターに共感できる方法を見つけることです。個人的な経験を元にストーリーを語るのは自然なことですからね。いつも何か新しいことを学んだり体験したりして、ゲームに反映することができます。だから、個人的にこの場に留まっているのだと思います。共有したい物語が尽きることはありませんね。誰にでも起きるような、共感できる体験を共有しているからです。そしてそうしたストーリー、記憶、人生のマイルストーンをゲームに取り込む。繰り返しですが、これは人生がテーマのゲームです。人生に関するゲームって、何本お持ちですか?あまり多くないですよね。

    Maxisにとって、プレイヤーが「The Sims」で自分を表現できることは、どれだけ重要ですか?

    それこそが「The Sims」の核心だと思います。そうですよね?このゲームでは人生がすべて。多くの場合、ゲームを始めたプレイヤーが最初にしたいと思うのは、自分自身を作ることです。私自身にも確かに当てはまりますし、たくさんの他の人にも当てはまるのは知っています。次にするのは、友達を作ること。そして家族を作りたくなる。それから、憧れの何かを作りたくなる。自分のなりたい姿ですね。つまりこれは人生についての、しかもいろいろな種類の人生についてのゲームです。それが核心です。だから毎日ここにいるんです。人生についての物語を語る。Maxisで最も重要なことは、何よりも、プレイヤーの実際の経験を反映することだと思います――それからもちろん、時には少し空想も必要です。例えば、現実には人魚にはなれませんからね。(笑)風変りな「The Sims」の良さを引き出すために、そんな空想を取り入れるのも楽しいですね。

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